ハタチや清水とハリザッコ、御台所清水など歩いて回った六郷湧水群を紹介!六郷の清水めぐり後篇

2016年7月に★ラベンダー園と合わせて六郷湧水群の清水めぐりをしてきました。前回は案内人の話と六郷町についてを紹介しました。今回は、巡った清水のいくつかを紹介します。

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ハリザッコをじっくり観察できる『ハタチや清水』

六郷町は地元では「ハリザッコ」と呼ばれるトゲウオ目トゲウオ科トミヨ属のイバラトミヨが生息している地域です。「ハリザッコ」はきれいな湧き水に住む魚で、雄物川水系を中心に生息する「イバラトミヨ雄物型」は、環境省や秋田県に絶滅危惧種に指定されている貴重な魚です。
この「ハリザッコ」を水槽で飼育している酒屋さん『ハタチや酒店』があります。ここにも有名な清水があり『ハタチや清水』と呼ばれています。お店の敷地内にある清水ですが一般公開していて、お店の人に一言声をかければ気軽に見せてもらえます。

  • 『ハタチや清水』がある『ハタチや酒店』の正面から見た様子『ハタチや清水』がある『ハタチや酒店』の正面。
  • 敷地は塀で囲われていて、入り口があり、横には清水の説明と自販機がある敷地は塀で囲われていて、お店の横に『ハタチや清水』がある。

お店らしく、六郷の名物ニテコ名水で作った『ニテコサイダー』やスイカなどを冷やしているところが見られます。清水の水面をよく見るとゆらゆらと揺れていて、水が湧き出ているのがわかります。涼し気で風情があり、サイダーを飲みたくなりますね!売り物なのでもちろん買ってすぐに飲めます。

  • 階段があり、低くなったところが大きな井戸のようになっていて、清水が湧き出ている階段があり、低くなったところが大きな井戸のようになっていて、清水が湧き出ている。
  • 箱に入れられた『ニテコサイダー』とオレンジが清水に浸かって冷やされている様子清水で冷やす『ニテコサイダー』はとても涼し気で冷蔵庫で売ってるよりもおいしそう!

リザッコ』は店内の水槽にいます。貴重な魚なので是非見学してみてください。『ハリザッコ』が住んでいる清水もありますが、見つけるのが大変なので、ここでじっくり観察しましょう!名前の由来であるハリ(針、とげ)が背びれに生えているのがわかりますよ!

  • お酒と一緒に水槽が並び、中には『ハリザッコ』がいる店内の水槽で公開している『ハリザッコ』
  • 水草に隠れている『ハリザッコ』。背中をよく見れば、ハリ(トゲ)がある水草に隠れている『ハリザッコ』の背中をよく見れば、ハリ(トゲ)があるのがわかる。

『久米清水』

一段下がったところに清水があり、板を渡してある。 昔、久米という家があったことから『久米清水』と名前がついた清水だそうです。食べ物を冷やす清水ではなく、おむつを洗ったり何かを洗ったりするところだったようで、今は夏に足湯ならぬ足水をしに来る人が多い清水だとか。

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本当に台所のように利用されている『御台所清水』

ぽっかりと丸くなった御台所清水があり、板を渡して3つに分かれ、先の方は川のように流れている。『御台所清水』は六郷湧水群の中でも最も有名な清水かもしれません。ポスターやパンフレットでもよく見る気がします。

『御台所清水』の流れを一直線に見た様子。写真手前から水飲む、御茶碗洗う、洗濯するの順で流れていく。 この『御台所清水』、その昔、秋田藩主佐竹義隆公が炊事やお茶の水として使用していたことからそう呼ばれています。町の台所(方言で「みんじゃ」言う)として古くから今も利用されているそうです。今回はその光景が見られなかったのですが、夏にはよくきゅうりやトマト、すいかなどを冷やしているとか!想像するだけでもとても涼し気ですごくおいしそうですよね。 『御台所清水』は3つに分かれていて、丸い方から流れている方へ順に、水飲む→茶碗洗う→洗濯で、流れていくんだそうです。水を飲めるようにひしゃくがおいてあるので、自由に飲んで大丈夫です。大きい丸い方からすくってどうぞ!

観光休憩所『清水の館 わくわく』

周りには木が茂り、涼し気で趣のある建物の『清水の館 わくわく』 清水で入れたお茶をふるまってくれる無料の休憩所です。清水めぐりの途中に通ったのですが、序盤だったのでとりあえず素通りして、帰りに無料のお茶をいただきました。ふるまってくれるお茶はあたたかいのですが、『ニテコサイダー』や湧き水で入れた名水抹茶や名水コーヒー(ホット/アイス)など有料の飲み物もあります。名水抹茶はお菓子付きで350円、名水コーヒーはお菓子付き350円、単品250円とお手頃価格!特に暑い夏場は疲れやすいのでとても助かる休憩所です。 休憩所の外には大きい案内看板があるので、確認してみてください。また、清水を汲む水道もあります。ペットボトルをたくさん持ってきて持って帰る人も多いようです。水自体は無料ですが、入れ物がない場合、空のペットボトルを購入して水をお土産にできます。ペットボトルは1リットル入りで100円、2リットル入りで150円だったと思います。

  • 休憩所の外の案内看板休憩所の外の案内看板。
  • 無料で持ち帰りOKの湧き水を汲む水道は、蛇口の下に台があるので水を汲みやすくなっている無料で持ち帰りOKの湧き水を汲む水道。蛇口の下に台があるので水を汲みやすくなっている。

六郷には川がない!?湧水の集まり『お伊勢堂側』

階段を下ったところにまるで川のような清水の集まり『お伊勢堂川』が流れている 六郷町にはお伊勢堂川という川のようなものがありますが、川はないそうです。では、お伊勢堂川とは何なのか?実はこの川のように流れる水の集まりは湧き水だそう!すごい量の湧き水ですね。 このお伊勢堂川では、8月第1土曜・日曜日に『船ッコ流し』というお祭りがあります。お伊勢堂川に笹竹や短冊に彩られた舟ッコを浮かべ、それを子どもたちが引くというお祭りです。約300年間も続く六郷地区の子どもたちの七夕行事だそうです。
ちなみに、お伊勢堂川にチェーンがかかっているのはお祭りのときに、観光客が危なくないようにということで、入ってはいけないということではありません。子どもたちの遊び場にもなっているそうです。夏は冷たい湧き水に足を浸しすのはとても気持ちよさそうです!
また、8月第1土曜日は美郷町の夏の風物詩である『清水まつり』も開催されます。酒樽のみこし「樽みこし」を担いだ担ぎ手は、観客から水をかけられながら町内を練り歩きます。「水かけみこし」とも呼ばれ、担ぎ手も沿道の人々も皆で水に親しみ楽しめるこのお祭りは清水の郷ならでは!涼しいお祭りですね。

見事な藤棚と落ち着く空間『藤清水』

『お伊勢堂川』の横を歩いていくとすぐに藤棚が現れます。藤はもう終わっていましたが、初夏(5月下旬から6月初旬あたり)はとてもきれいな藤の花が見られそうで、また来たくなりました。藤棚を歩いた先に『藤清水』があります。昔、この場所に蔵が3つあったことから『三倉清水』とも呼ばれていたようですが、今は造園され、藤の花の見事さから『藤清水』と言われているそうです。

  • 藤が咲く頃にまた訪れたくなるきれいな藤棚の下を歩いている様子藤が咲く頃にまた訪れたくなるきれいな藤棚の下を歩いて進んだ先に『藤清水』がある。
  • 木や草が茂り、落ち着いた感じがする場所で、癒しを感じる『藤清水』木や草が茂り、落ち着いた感じがする場所で、癒しを感じる『藤清水』

六郷の冬の行事『竹うち』の会場『カマクラ畑』

美郷町六郷には国指定重要無形民俗文化財の★『六郷のカマクラ』というお祭があります。その行事の一つに『竹うち』というのがあり、その会場が『カマクラ畑』と呼ばれています。『竹うち』は竹を激しく叩きつけ合うもので、秋田県内でも有名ですが、私はまだ本物を見たことはありませんでした。今回の清水めぐりでもその会場を初めて見たのですが、雪がない状態とはいえ、びっくり!だだっ広い空き地かなんかでやるものと思ってましたが、普通の住宅街の公園のようなところでした。テレビだとただの空き地だと思ってたんですが、と案内人さんに話すと、雪がとても高く積もるためそう見えるのだそうな!

  • 『六郷のカマクラ・竹うち』の会場である諏訪神社向かいの『カマクラ畑』は雪がない様子『六郷のカマクラ・竹うち』の会場である諏訪神社向かいの『カマクラ畑』は雪がないとこんな感じ。
  • カマクラ畑の前にある六郷中央地区の案内図。両脇の石の下の方にには植田まさし先生のユウちゃんとハリザッコが刻まれている。カマクラ畑の前にある六郷中央地区の案内図。両脇の石の下の方にには植田まさし先生のユウちゃんとハリザッコが刻まれている。

『六郷のカマクラ』

雪がない『カマクラ畑』の様子豊作祈願の火祭として700年余りもの歴史を持つ貴重な小正月行事です。2月11日~2月15日の4日間行われます。11日の蔵開き・天筆書初めに始まり、15日の竹うち・天筆焼きまでの一連の催しまとめて『六郷のカマクラ』という行事で、昭和57年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。各地の小正月行事が失われつつある現代において、今もなお本来の姿を保ち、住民の伝承意識が高く、とても貴重な行事とされています。
写真は雪がない夏の『カマクラ畑』です。祭の時は、左右にある木の櫓のようなものが半分以上雪で埋まるんだとか!まだ『六郷のカマクラ』行事は見たことがないのでいつか行ってみたいと思っています。

六郷町一番の名水!?『ニテコ清水』

青い柵で囲われた『ニテコ清水』美郷町名物の『ニテコサイダー』で有名なニテコはこの清水のことです。この清水で作られた『ニテコサイダー』は美郷町のお土産にぴったり!『ハタチや清水』のある『ハタチヤ酒店』や『ニテコ清水』にある『ニテコ名水庵』や『湧子ちゃん』など美郷町のいたるところで購入できます。もちろん、秋田駅や秋空港などの主要なお土産どころにも置いてあるので手に取ってみてください。

清水を使った和風レストラン『ニテコ名水庵』と手作り工房『湧子ちゃん』

『ニテコ清水』にある『ニテコ名水庵』は『ニテコ清水』を使った食事が楽しめる和風レストランです。流しそうめんも体験できます。とても趣のある蔵造りの建物で、写真にも絵にもなります。食事をしなくとも、清水と建物を見に寄ってみると良いでしょう。
専用駐車場は10台ありますが、併設する手作り工房『湧子ちゃん』にも車をとめることができます。

  • 『ニテコ名水庵』の駐車場の方から見た様子『ニテコ名水庵』の駐車場の方から見た様子。
  • 蔵造りだとわかる横から見た『ニテコ名水庵』。水色の柵のあるところが『ニテコ清水』でそれを囲むように『ニテコ名水庵』と『湧子ちゃん』がある。蔵造りだとわかる横から見た『ニテコ名水庵』。水色の柵のあるところが『ニテコ清水』でそれを囲むように『ニテコ名水庵』と『湧子ちゃん』がある。

『湧子ちゃん』は清水を使った豆腐や地元の野菜を使った漬物などの加工品の工場と、その商品や地元産新鮮野菜の販売をしている複合施設です。安心安全、地産地消をモットーに地域のお母さんたちが頑張っています。
『ニテコ清水』を使った豆腐やおからドーナツ、オリジナルのジェラートアイスなどその場ですぐ食べられます。町歩きをしていて寄ったとき、アイスを食べようか悩みましたが、ちょっと時間がなかったので見るだけで食べなかったのが残念…いろいろあって食べたくなるのでぜひ時間に余裕をもって訪れてみてください。笑

  • 『ニテコ清水』の方から見た『湧子ちゃん』の外観『ニテコ清水』の方から見た『湧子ちゃん』の外観。
  • オリジナルのジェラートアイス販売しているところオリジナルのジェラートアイスがすごくおいしそう!

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六郷清水めぐりまとめ

以上に紹介した清水の他に、『諏訪清水』『鷹匠清水』『キャペコ清水』などもコースにありました。ぜひ実際に訪れてみてみてください!どの清水も案内看板が出ているので、由来や歴史など、ガイドさんがいなくても知ることができます。
美郷町六郷は、大曲や角館、横手から車で約30分ほどの距離にあります。1週間前から予定を組んで案内人を頼むのがベストですが、ちょっと他の観光ついでに寄るにも良い位置です。お土産に新鮮な清水を持ち帰るもよし、『湧子ちゃん』などのお店で『ニテコサイダー』や豆腐などをお土産にするのも良いですね!
夏は歩くのに暑いですが、清水の冷たさをより気持ちよく実感できます。春や秋のちょうどいい気候は歩きやすくゆっくりと清水をめぐることができそうです。いつの季節に行っても四季折々の風景が見られるでしょう!

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